命をいただくということ—合鴨と私の誕生日ディナー

狩猟

1. 友人からの贈り物—「合鴨を一羽プレゼントするよ!」

ある日、友人から声をかけられた。

「合鴨を一羽プレゼントするよ!」

やったー!これは貴重な体験!私は合鴨を捕まえるところから、さばいて料理するまでの全工程を体験することになった。

誕生日に命と向き合う、特別な一日が始まる。


2. 合鴨農法とは?—自然と共に生きる農業

友人が行っているのは「合鴨農法」。

水田に合鴨を放ち、雑草や害虫を食べてもらい、その糞が肥料となる。農薬を使わずに稲を育てる、自然の力を活かした素晴らしい農法。

そして秋、稲刈りの季節になると、多くの合鴨は食卓へと運ばれる。


3. いざ捕獲!田んぼでの追い込み作戦

まずは合鴨たちが暮らす田んぼへ。

水面をスイスイ泳ぐかわいらしい姿。しかし、捕まえるとなると話は別。

友人と打ち合わせし、魚用の大きな網を準備。

「よし、挟み撃ちでいくで!」

一歩ずつ距離を詰め、合鴨の逃げ道をふさぐ。最後はガバッと網をかぶせて捕獲成功!結構簡単。楽しい。

ふわふわの温かい羽毛、とてもかわいいお顔。

命をありがとう。


4. 命をいただく—さばくということ

捕まえた合鴨の首を切る。

心がざわつく瞬間。心で「ごめんね」と言いながら、少しでも苦しまないよう早く済ませる事に集中。

昔から人間はこうして食べ物を得てきた。切った後もしばらく何分間も動き続ける命の強さ。

次は毛をむしる作業。体が温かいうちに毛を引っ張ってむしる。体が硬直したら毛が抜けないそう。

だいたいの毛をむしったが、まだ細かい毛が残る。

そこで藁で炙るそう。

火にあぶられ、独特の香ばしい香りが立ち上る。

藁の火が余分な脂を落とし、合鴨は少しずつ「食材」へと変わっていく。

もうここまで来たら「美味しそう」と思える。


5. 解体作業—自然の恵みを余すことなく

次は川辺へ移動し、包丁で解体していく。

胸肉、もも肉、砂ズリ、ぼんじり、セセリ——

普段スーパーで見かける部位が、今まさに目の前で形を変えていく。

使わない部分は川へ投げると、すぐにトンビやカラスが舞い降りてくる。

これもまた自然の循環。命は決して無駄にならない。


6. 最高の誕生日ディナー!

実はこの日は偶然にも私の誕生日。

命をいただくありがたみを噛みしめながら、特別なごちそうを作ることにした。

まずは土鍋に合鴨の肉を入れて炒める。

すると——驚くほどの脂がじゅわっと出てくる!

そこへ野菜を投入し、味付けはシンプルに醤油と塩だけ。

そして実食。

ひと口食べた瞬間——

「うっまっっ!!!」

肉は弾力があり、噛むたびに旨みがじわっと広がる。

合鴨の脂が染み込んだ野菜もまた絶品。

贅沢な誕生日ディナーを堪能。


7. 食べることは、命をつなぐこと

今回、合鴨農法のリアルな現場に立ち会い、命をいただく経験をした。

普段、スーパーで売られている肉の背景には、こうした「命のやりとり」がある。

合鴨は最後までかわいかったし、正直なところ最初は手が震えた。

でも、だからこそ「美味しく食べよう」「無駄にしないようにしよう」と強く思った。

子供達にも良い食育になったと思う。命に感謝。

そして最高の誕生日プレゼントをくれた友人にも、ありがとう!

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